お灸事典
お灸の記録
“上古の人は皆100歳まで生き、
しかも動作も衰えなかったと聞いているなぜ?”
『黄帝内経』のなりたち
東洋医学の原点というべき書『黄帝内経』は、中国を統治した最初の帝 黄帝(こうてい)が、師である岐伯(きはく)をはじめ6人の医者との健康、病気、鍼灸、日常生活などを問答形式で展開しています。
そして語り継がれたこの問答は、紀元前200年頃に中国古代医学を体系的に構成『黄帝内経』としてまとめられました。
『黄帝内経 素問・霊枢』
『黄帝内経』は、生理、病理、衛生など基礎医学理論の『素問(そもん)』と経絡、経穴など鍼灸をはじめとした治療について記された『霊枢(れいすう)』からなっていると考えられています。
『霊枢』には『黄帝内経』以前には、点として存在していた経穴を線として考え、経絡として互いにつながっているという視点でとらえています。
2000年前にほぼ確立されたと言われ、その内容は今の時代にもつづいているのです。
養生とは
そして、『黄帝内経』にはいかに健康に生きるかの養生の知恵もつまっています。
養生とは、人間と自然との調和。
四季の気象の変化に適切に順応し、熱さ寒さにも上手に適応する。
喜怒哀楽の感情を動かさないようにして、日常生活を安穏に過ごす。
調和のある生活をつづけることで病の原因となる不正な邪気もやってこず、健康で長寿を保つことができるといわれています。
今、養生の基本とされているすべてがこの『黄帝内経』には記されているのです。
2000年という時をこえ国をこえて、広く人々の健康を支えつづける『黄帝内経』は今も、東洋医学のバイブルと言われているのです。
家本誠一 著、黄帝内経 素問訳注 第1巻、医道の日本社、2009年2月、564P
家本誠一 著、黄帝内経 霊枢訳注 第1巻、医道の日本社、2008年4月、463P