積冷(しゃくれい) 冷えは積み重なる
冬の気温低下で皮膚が寒さを感じると、脳の体温中枢は「熱をつくり出すはたらき」を高め、熱をムダに放散しないよう皮膚の血管を引きしめます。
■「陽気(ようき)」とは?
私たちはカラダを動かすことによって、熱をつくります。
これは、スポーツのように「運動をする」というよりも、呼吸により酸素と二酸化炭素を交換する肺の運動、全身へ血液を送り出す心臓の運動など、生命を維持するために動き、はたらく内臓や器官が熱をつくり出しています。
このように内臓が動き、はたらくことによってつくられた熱は血液によって全身に運ばれ、カラダを温めて体温を一定に保っています。
東洋医学では、この熱を「陽気(ようき)」といいます。
■防寒で「陽気」を逃さない
皮膚や粘膜は環境的な変化、異物や病原となる菌、ウイルスなどからカラダの中を守るバリアとしての役割があります。
このバリアを支えているのも「陽気」であり、皮膚、粘膜の良好な血行とうるおいを維持しています。「陽気(ようき)」を逃さないようしっかり防寒しましょう。
■養生で「陽気」を高める
自然の変化、四季のうつり変わりにあわせて、健康を高める「養生」を心がけましょう。
日の出、日の入りは一年を通じて変化しますので、睡眠時間も一年の中で変化するもの。
日の出が遅く、日の入りが早い冬の養生は、夜は早く寝て、朝は日の出にあわせてゆっくり起きること。「陽気」を高めるための大切な養生法です。
■12月の冷え暦
①お灸でカラダを温めよう
②「陽気(ようき)」を逃さないよう防寒しよう
③夜は早く寝て、朝はゆっくり起きよう
首の冷えは万病のもと
首には太い血管や神経が
通っていますが
ネックウォーマーで
首をあたためると
血のめぐりが良くなり
筋肉もほぐれて
コリもなくなります。
首をしっかりあたためて
冬を元気にのりきりましょう。
<12月>師走(しわす)
旧暦12月の呼び名がそのまま使われています。
12月は、お坊さんも走り出すほどあわただしい季節ということで「師走(しわす)」
木枯らしとともに咲きはじめる「さざんか」は、冬の童謡たきび「さざんか さざんか さいたみち…」と歌われているように、花の少ない冬に咲くところから、生垣によく植えられてきました。
さざんかは椿とよく間違われますが、同じツバキ科の植物で、仲間です。
ただ、椿は花が咲いた後、花ごと落ちるのに対し、さざんかは花弁が一枚ずつ落ちるため、さざんかの生垣の通りは、道路が散った花で彩られるのです。
この「さざんか」を日本のバラと世界に紹介したのは、ドイツの植物学者ケンペル。
英和も学名も「sasanqua」です。