お灸事典

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お灸の記録

ほうろく灸 (焙烙灸)
暑気払いを願って行われる焙烙灸
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江戸時代から伝わる日本の伝統行事「ほうろく灸」

夏の土用の頃になると、頭に素焼きの皿をのせてお灸を据える「ほうろく灸(焙烙灸)」が行われます。

ほうろく灸は、江戸時代から伝わる、無病息災や暑気払い、頭痛封じ、中風封じなどを願う日本の伝統行事です。現在でも全国各地の寺院で受け継がれ、暑い夏を健やかに過ごせるよう祈願する夏の風物詩として、多くの人々に親しまれています。

ほうろく皿とは

ほうろく灸で使用する「ほうろく皿」とは、平らな素焼きの皿「ほうろく皿」のことです。もともとは、お盆の時期にご先祖様を迎える迎え火や送り火に用いられてきました。

ほうろくという名前は、豆やごま、茶葉などを直火で煎るための浅い土鍋として使われてきたことに由来するといわれています。

ほうろく皿

ほうろく灸では、この素焼きのほうろく皿を頭にのせ、その上にもぐさを置いて行います。直火で使用でき、熱をおだやかに伝える素焼きの特性を生かし、頭にもぐさをすえるための道具として用いられています。

武田信玄

なぜ頭に焙烙をのせるの?

ほうろく灸では、直接頭にもぐさをすえるのではなく、素焼きの皿「ほうろく皿」を頭にのせ、その上にもぐさを置いて火をつけます。頭のてっぺんの真ん中にある「百会(ひゃくえ)」にほうろく皿をのせてお灸を行うのが特徴です。

ほうろく灸の由来には諸説ありありますが、戦国武将・武田信玄(たけだ しんげん)が兜の上からお灸をすえたことが、ほうろく灸の由来の一つとして伝えられています。今では、古くから語り継がれている言い伝えの一つになっています。

今も受け継がれる伝統行事

現在でも、京都の三寶寺(さんぼうじ)や東京の長國寺(ちょうこくじ)、愛知の普門寺(ふもんじ)をはじめ、全国各地の寺院でほうろく灸が行われています。土用の丑の日に合わせて開催されることが多く、無病息災や暑気払いを願う夏の伝統行事として親しまれていました。

また、寺院によって作法はさまざまで、焙烙に願い事や祈願文、まじないの言葉を書いてからお灸を据えるところもあり、それぞれの地域や寺院ならではの風習が受け継がれています。今も人々の健康を願う行事として大切に守られてるのです。

ほうろく灸は、暑い夏を健やかに過ごしたいという願いが込められた日本の伝統行事です。今も各地で受け継がれるこの風習は、お灸が日本の暮らしに深く根付いてきたことを伝える大切な文化のひとつだと言えるでしょう。

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