お灸事典

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お灸の記録

二十四好今様美人 義太夫好
にじゅうしこう いまようびじん
美人画からのぞく、江戸のお灸
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『二十四好今様美人(にじゅうしこういまようびじん)』とは

『二十四好今様美人』は、江戸時代末期の文久3年(1863)に、浮世絵師・三代歌川豊国(歌川国貞)が描いた美人画のシリーズです。

題名の「二十四好」は、中国の親孝行にまつわる二十四の物語「二十四孝(にじゅうしこう)」をもじったもの。「孝」を「好」に置きかえ、当時の女性たちのさまざまな「好み」や楽しみを題材にしています。

作品には『甘い物好』『旅好』『着物好』『祭り好』『料理好』などがあり、芸能や娯楽、装いなど、江戸の女性たちのさまざまな楽しみが描かれています。それぞれの「好」を切り口に女性たちの姿を描くという、遊び心のある趣向もこのシリーズの魅力です。

『二五五四好今様美人』所蔵:東京都立中央図書館

また、人物の表情やしぐさ、身の回りの小物など、一つひとつに目を向けてみるのも楽しみ方のひとつ。画面の細部には、その時代ならではの風俗や習慣を伝えるさまざまな要素が描き込まれています。

その一図『義太夫好』には、女性がお灸をしている姿が描かれています。

『義太夫好』に描かれたお灸

『義太夫好(ぎだゆうずき)』は、義太夫節を好む女性を描いた作品です。義太夫節とは、三味線の伴奏に合わせて物語を語る浄瑠璃の一つで、江戸時代には人形浄瑠璃などを通して広く親しまれました。

この作品で注目したいのが、女性の腕です。よく見ると、腕にはお灸が据えられています。華やかな美人画の中に、お灸の様子がごく自然に描かれているところも見どころのひとつ。当時の女性の日常のひとこまに、お灸が登場していることがわかる興味深い作品です。

『二五五四好今様美人』『義太夫好』(切り抜き)
所蔵:東京都立中央図書館

江戸の人気絵師・三代歌川豊国

三代歌川豊国(さんだいうたがわとよくに)は、江戸時代後期から幕末にかけて活躍した浮世絵師です。天明6年(1786)に江戸で生まれ、初代歌川豊国に弟子入りし、「歌川国貞」の名で活躍しました。のちに豊国を名乗り、現在では三代歌川豊国として知られています。

特に人気を集めたのが、歌舞伎役者を描いた「役者絵」や、当時の女性たちを描いた「美人画」です。人物の表情や華やかな装いを巧みに表現し、江戸の流行や風俗を数多く描き残しました。

生涯にわたって膨大な数の作品を手がけた、幕末を代表する浮世絵師のひとりです。

まとめ

『義太夫好』に描かれたお灸は、幕末の人々の暮らしとお灸との関わりを今に伝える、興味深い一場面です。浮世絵を通して、当時のお灸のある日常をかいま見ることができます。

『二五五四好今様美人』所蔵:東京都立中央図書館

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