お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2026.10.07

ススキ ― バイオマスエネルギーの優等生


太古の昔から、ススキは日本人のくらしに身近な植物として、日本家屋の茅葺き屋根をはじめ、さまざまな場面で利用されてきました。そのススキが今、すぐれたバイオマスエネルギーとして、世界的に注目を集めています。

━秋の七草「尾花」
「尾花」とも呼ばれるススキ。万葉集では40首も詠まれ、秋の季語になるほど、古くから親しまれてきました。「尾花」の名は、白くフサフサとした花穂が動物の尾を思わせることに由来するといわれています。


━ススキの生命力
ススキはイネ科の植物。「すくすく育つ」が語源ともいわれています。
また、ススキは古くから「茅(かや)」として利用されてきた植物のひとつ。
たくましく育つ生命力をもち、夏越しの祓いの神事「茅の輪くぐり」の茅の輪にもススキは欠かせないのです。

━世界遺産「合掌造り」の大屋根
岐阜の白川郷や富山の五箇山にある世界遺産「合掌造り」。その茅葺きの大屋根をはじめ、近年まで日本家屋の屋根材としてススキが使われてきました。
一度葺くと数十年はもつといわれる茅葺き屋根。ススキの茎は空洞で空気を含むため、数十センチもの厚さに葺かれた屋根は断熱性にすぐれ、夏は涼しく冬は暖かく、人々の暮らしを守ってきました。

━お月見に欠かせないススキ
お月見は、実りの秋の収穫を神様に感謝する秋の行事。
お団子とともに供えられるススキは、中が空洞になった茎に神様が宿ると考えられ、魔除けの意味もあるといわれています。


━ススキは雑草
ススキは日本をはじめ東アジアに広く自生する植物で、もともと欧米には自生していませんでした。
そのため英名では「Japanese pampas grass(ジャパニーズ・パンパス・グラス)」とも呼ばれています。

空き地を埋めつくし、斜面をおおいつくすススキ。乾燥に強く、やせた土地でもたくましく根を張って成長することから、庭に植えるには注意が必要とされ、厄介ものや雑草として扱われることもありました。

━ススキが今 世界にはばたく
ススキは光合成によって大気中のCO₂を吸収し、取り込んだ炭素を地下部にも蓄える植物です。
しかも、厳しい環境にも耐えながら成長し、一度根付くと刈り取っても春になると再び芽を出すため、生産性が高いのも特長です。
このように「バイオマス燃料」としてすぐれた条件を持ちながら、これまで雑草として扱われることもあったススキが、今、世界で注目されています。

世界に先駆けて地球温暖化対策に取り組んできたヨーロッパをはじめ、世界各地で近年、ススキを乾燥・ペレット化し、化石燃料に代わるバイオマス燃料として利用する取り組みや、バイオマスガス化が注目されています。次世代の地球温暖化対策に役立つ再生可能エネルギーとして、ススキの研究開発が進められているのです。

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