お灸事典



笹だんごとは
古くから新潟で親しまれてきた郷土の味です。
よもぎを練り込んだ餅に餡を包み、香り豊かな笹の葉でくるみ、スゲなどのひもで結んだ俵形が特徴です。
笹には防腐作用があり香りもよく、日持ちのする保存食として、また農作業の合間のおやつとして親しまれてきました。新潟では端午の節句にも欠かせません。
今では、新潟各地のスーパーや駅、道の駅などでも手に入り、世代を超えて愛される、新潟を代表する郷土の味となっています。
笹だんごの由来
笹だんごのはじまりには、いくつかの説が伝えられています。なかでもよく知られているのは、笹の葉の抗菌性に着目し、戦国時代に携帯できる保存食として用いられたという説です。戦国武将の上杉謙信がたずさえていたともいわれています。
一方で、年貢として納めることができなかったくだけた米を無駄にせず、おいしく食べる工夫から生まれたという説もあります。
江戸時代になると庶民の間にも広まり、旅の道中のお土産として親しまれるようになりました。
さらに昭和39年(1964年)新潟国体で、新潟県と新潟市の推薦土産品として紹介されたことをきっかけに、その名は全国へと広がっていきました。

笹だんごに使われる「よもぎ」の魅力
笹だんごには、お灸の原料としても知られる「よもぎ」が使われています。よもぎには古くから、抗菌・防腐効果があり、おなかもにやさしいといわれるなど、さまざまな特徴を持つ野草として親しまれ、保存食の役割を高める素材としても用いられてきました。
殺菌作用を持つ笹の葉とよもぎを組み合わせることでより効果的に、日持ちを良くする工夫が生まれ、端午の節句には邪気を払う意味も込めて食されてきました。また、春に芽吹く若葉は香りがよく、だんごに練り込むことで小豆あんの甘みを引き立て、風味豊かに仕上がります。鮮やかな緑色も美しく、季節の彩りも感じさせてくれるのです。
笹だんごの楽しみ方
笹だんごは、蒸していただくのがおすすめです。やわらかく温まった笹だんごは、よもぎの風味がいっそう引き立ち、もっちりとした食感が楽しめます。蒸し上がりに笹の葉をほどくと、ふわりと広がる清々しい香りも、笹だんごならではの魅力のひとつです。

よもぎと笹の葉という自然の恵みを生かした郷土の味、笹だんご。よもぎは、食材を傷みにくくする知恵として用いられるとともに、だんごにやさしい香りと風味を添えます。笹の葉の香りと重なり、素朴で奥深い味わいを生み出します。



