お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2017.09.29

ブログ

近江路かかし劇場


稔りの秋を迎えた近江平野の一角が今注目を集めています。
畑仕事のおばさんにあいさつしたのに返事がない。
果樹の手入れをするお父さんにオハヨウと声をかけたのに、という声があちこちでおこっています。
話題の主役はかかし。かかしといってもかつて童謡でうたわれたような一本足で立っているのではなく、超リアルが売りのかかし、農作業の衣装をつけた姿もリアルなのですが、すごいのは姿勢。
草むしり、野菜の種まき、洗濯物を干す、水やり、バス停でバスを待つなど、その姿は今にも動き出しそう。日々の農作業の一コマをあざやかに再現しているところが超リアルなのです。
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作者はスイカやトマトを栽培する農家の人、毎年収穫期になると待っていたようにやって来るカラス対策が始まりだそうです。
頭のよくまわるカラスはただ立っているだけのかかしではすぐ見破ってしまうため、いかにも今そこで農作業中といったかかしを思いたち、改造に改造を重ねて今では木の骨組みのジョイントをボルトとナットで止め、関節が動くようにしてどんな農作業の姿勢も再現できるようにしたのです。
そうして完成した超リアルかかしの効果は高く、カラスの被害はなくなりました。

カラスは来なくなったけど人がやってくるようになったそうで、今では休日ともなるとこの超リアルなかかしを見物に遠くから車でやって来る人がたえないとか。
そのため今ではこの超リアルかかし、役目を終えたあとも年中畑の中でカラスを追い払うのではなく人を集めているのです。
そしてこの超リアルかかしはこの秋、市内の美術館からアートとして特別企画展の依頼が来て、今展示されたり、又、すぐ近くの交差点の事故防止に一役買っているかかしもいて、今ではあちこちから制作依頼もとびこんで来ているそうです。
秋晴れの今日も近江路かかし劇場の超リアルかかしは人を集めつづけています。

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