お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2018.11.02

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秋の古書まつり

huruhon_1銀杏が色づきはじめた秋晴れの京都。
その京都の三大古本まつりのひとつ第42回「秋の青空 古本まつり」が百萬遍知恩院のひろい境内いっぱいを使って開かれています。
お堂の軒下も鐘楼の周囲も南無阿弥陀仏の碑の台坐もすべてが本棚、これでもかと何十万冊もの古本が到るところに並べられています。
京都らしく学術書や専門書が数多く並ぶなか絵本もありマンガもあります。
境内にはちょうど秋におこなわれる「十夜法要」の鐘の音とともに読経の声もきこえてくるなか、本の山をめぐる人の波はあちらへ、又こちらへとゆるやかに動いています。
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この古本まつりの初日はちょっとユニーク。大殿で書物に感謝する古本供養が数珠練り法要の発祥の地といわれるこの知恩院の「百萬遍念仏大数珠練り」によって行われます。

日本で唯一とされる役目を終えた本に感謝するための法要です。集まった古本を燃やすのではなく、そのあと古本まつりで次の持主の手に渡ることこそ古本供養のねらいなのです。
その人にとって役目を終えた本が時代を経て、新しい持主の手に渡ったとき貴重な資料として、又、心にひびくことで新しいいのちが生まれることは、しばしばおこることです。

しかし、今、本をめぐる現実はきびしく、ゴミ出しの日など、よくゴミとしてひとまとめにしばられて出されている本をよく見かけます。
不要なものをへらして生活に調和をもたらす生きかたとされる断捨離が注目を集めていますが古本まつりに集まって、再び新しい主人を待つ本にとってはやりきれない時代を迎えているのです。

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