お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2018.03.02

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花の天井

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「花の天井」の春の特別公開が京都で始まっています。
花の天井画は平安初期、弘法大師によって高雄山神護寺の守護神として開かれた平岡八幡宮の本殿内陣の天井に江戸時代に描かれた四季の花のこと。

平岡八幡宮は室町時代に火災により焼失しましたが、時の将軍 足利義満によって再建、さらに江戸時代 仁孝天皇の命により整備されて今日に至っているのですが、天井画はこの江戸時代の本殿修復時に描かれたものなのです。
内陣のしかも天井という特殊な場所に描かれた天井画は200年近くたった今、色彩はかなり消えているとはいえ十分に往時の極彩色の天井をほうふつさせるに十分なかたちと色を残しています。

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水仙、梅、椿、南天、桔梗などと並んで石南花、大山蓮華、高尾楓などがタテ、ヨコ70センチの天井板にあざやかに描かれています。
天井画は時を経て、天井板の木目が立ってきたことで一つ一つの花がよりくっきりとうかびあがって、今は今の独得の世界となっています。しかし、描かれた当時、内陣の限られた空間の天井を埋めつくした四季の花のあざやかさは、きっとイメージをはるかにこえたものであったことが伺えるのです。

重文や文化財がめじろ押しの京都では通常非公開の庭園や建物、収蔵品の公開をつづけており、ふだんは入ることのできない場所や、見ることの出来ない文化財を拝観する機会が季節季節にもうけられていますが、この花の天井画も内陣という特殊な空間に身を置いて上を見上げると、天井に描かれた花からのメッセージがより強く伝わってくる感じがするのでした。

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