お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2018.08.03

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からし豆腐

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夏の暑さのきびしいことで知られる京都では暑い夏をやりすごす暮らしの知恵が衣食住にわたっていくつも生きています。
そのひとつにあげられるのが夏限定のからし豆腐。
五月の終り頃から8月一杯にかけて売り出されます。

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豆腐の角で頭を打つというコトバもある通り、豆腐というのは四角いのが普通なのですが、このからし豆腐はなぜかツルっとしたまあるいかたちで上に青のりがちょこんと乗っていて、ちょうど一人前くらいのかわいい大きさ。
からし豆腐がまあるいのは、割るとその中にノリで俵型につつまれたからしが埋め込まれているからで、食べる時にはそのからしをお醤油でといておあがり下さいという親切心から生まれたようです。

京都にはおばんざいのメニューに困ったら「お豆腐にでもしとこ」とよく言われるように、豆腐は夏は冷奴、寒くなると鍋物や湯豆腐と京都の日々の食事にはしばしば登場します。
そのためもあって京都の街には各町内に一軒はあるのではというほどお豆腐屋さんがあるのです。

豆腐はその成分の8割は水という食品、そして豆腐づくりは豆をひたすところから出来上がって水槽のたっぷりの水に豆腐がうかぶところまで、最初から最後まで水が必要です。
だから、一に豆、二に水、三に技術といわれるほど水の役割は大きく、今も京都で良く知られる豆腐屋さんには専用の深い井戸があり、地中深くからくみ上げた水が使われているのです。

暑い暑いといいながら来週は暦の上では立秋です。
からし豆腐の出番もあと少し、京の夏に欠かせなかった役割を終えようとしています。
そして秋の深まりとともに豆腐は鍋物に湯豆腐にと秋冬のシーズンを迎えるのです。

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