お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2018.08.24

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灸まん

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「灸まん」はこんぴらさんと親しまれてきた香川県琴平の金刀比羅宮の参道きっての名物和菓子。
名前の通りお灸のもぐさのカタチをしたユニークなおまんじゅうです。

海の守護神としてひろく信仰を集めてきた金刀比羅宮。
江戸時代、まだ物見遊山の旅は許されていなかったのですが、伊勢詣りと並んで金刀比羅宮詣りは信仰の旅として認めされていたため江戸時代の旅の代名詞になるほど多くの人がやってきました。
森の石松の「金毘羅代参」をはじめ弥次さん・喜多さんの「続膝栗毛 金毘羅参詣」などが生まれ又蕉村や一茶も訪れています。
そのために街は参詣客であふれ旅籠や土産品店が立ち並び、芝居小屋まであったそうです。

こんぴらさんといえば本宮まで785段、奥の院までだと1,368段もの階段がつづく参道は今も昔も同じ。
江戸時代、その参道の旅籠のなかでお詣りにつかれた宿泊客の脚に女中さんがお灸をする「金毘羅灸」のサービスで大評判の旅籠がありました。
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のちにその旅籠が茶店に変った時、かつてお客さんに喜ばれたお灸をイメージしたまんじゅうをつくってはということで生まれたのが「灸まん」なのです。
お灸のもぐさの円錐形をそのままのかたちにとり入れた「灸まん」はタマゴの黄味の餡もおいしくいつしかの参道一の人気のスイーツに。

金刀比羅宮さんの急な階段の登り降りのつかれをいやしたお灸は、
今「灸まん」となってそのやさしい甘さで、訪れる人々をいやしているのです。

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