お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2020.02.21

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糀・麹

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米偏に花と書いて「こうじ」、麹とも書きます。
糀は蒸米に種糀をふりかけ暖かくしておくと、糀菌が繁殖して米粒の中にも外にもびっしり白い花のように菌糸をはりめぐらす様子から日本で生まれた漢字です。
一方、麹のほうは古く中国から伝えられた漢字で、米だけでなく麦や大豆などの穀類を使ってつくられるすべてのこうじのことなのです。
発酵文化の国といわれる日本では、お酒に始まって、味噌、しょう油、みりん、酢などの調味料のほとんどが発酵によって生まれてきました。

その発酵をうけもつのが麹、その歴史は古く紀元前からとも伝えられていますが、奈良時代には麹を使った酒づくりがおこなわれたという記述が残っているほど日本の食文化と深くかかわってきているのです。

室町時代に入り、酒づくりが盛んになり、それまで自然の発酵にまかせていた麹を専門に扱う種こうじ屋さんが生まれるほど麹の需要は増えてきたのです。
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京都には今もたった一軒、日本全国でも数軒といわれ、360年もの歴史を持つ麹づくりに欠かせない麹種を扱う麹種屋さんがあります。
その歴史をしのばせる看板には「麹種もやし」の文字、もやしというのは酒屋さんでは今も使われる言葉で麹種のこと。麹菌が伸びてゆく様子から「萌える」がもやしになったとかで、何百年も伝えられてきた麹を使って麹種づくりがつづけられているのです。

麹菌というのは強い生命力で酒屋さんでも毎年同じ蔵で同じ木桶を使って酒づくりをつづけているとその蔵にその蔵独得の麹菌が住みつくといわれます。灘や伏見で近代化が進むなか、昔ながらの蔵でつくられる高級酒に蔵の名前をつけたお酒があるのはそのためなのです。

近年、塩麹ブームで麹がクローズアップされてきて、麹種もやし屋さんのひらく麹づくりのワークショップは大変な人気だそうです。日本の歴史と共に食文化を支えてきた麹にはまだ秘められた力があるようです。

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