お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2019.03.22

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やきもち

kamigamo1北野天満宮の粟餅。今宮神社のあぶり餅、三宅八幡のはと餅、下鴨神社のみたらし団子、伏見稲荷のきつね煎餅と京都のあちこちの神社仏閣の門前には長くおまいりの人々に親しまれてきた銘菓がたくさんあります。
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そして、下賀茂神社にはやきもちがあります。
このやきもち正式には下賀茂神社のそばということで葵餅という名があるのですが、今ではそのおいしさからいつしか「やきもち」の名で呼ばれるようになり、のれんにもやきもちと大きく記され、やきもちだけを売っています。

甘さを押えたつぶあんをつきたての餅でつつみ鉄板の上でほどよいコゲ目をつけただけのきわめてシンプルなお餅。
午後にはなくなるときいて朝一番に大いそぎできたという御婦人は、おばあちゃんが火鉢で焼いてくれたお餅のまんまがなつかしい、とまさにその素朴さそのものの味が人気の秘密のようです。

ガイドブックにも売り切れ注意 午前中が必須、ネットでも3回目にやっと買えましたなどの書きこみもあるほどの超人気。このお店 鞍馬寺方面への街道に面していてかつては茶店もあったそうですが今はやってないためお店でいくつかをつつんでもらうのとは別に一個買って焼きたてを口にする人をよく見かけます。

お餅がおいしいのはなんといってもつきたてということで餅米とあずきと砂糖以外は一切使わない。その日につくってその日に売るという創業以来のつくりかたを今も守りつづけているこのやきもち。
遠いところから足をはこんでいただくのに売り切れでおことわりするのはとてもつらいですが何しろ今も家族だけで昔のままにやっているもんで一日にできるぶんは限られているんです。と語るお店の人。
それだけに一個一個まさに人の手でつくられたあたたかさがこのやきもちの人気の秘密なのかもしれません。

人気の包装紙のかわいい馬はかつてこのお店の隣が下賀茂神社の神馬舎だったこともあってお店の名が神馬堂ということからだとか。
どこまでもあたたかさと素朴さが伺えるやきもちなのです。

お店から見える下賀茂神社の鳥居のそばの早咲きの桜はもう満開です。

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