お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2019.10.18

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ビスケット

bis
イギリスでビスケット、フランスではビスキュイ、イタリアではビスコッティ、アメリカではクッキーと呼ばれるのは小麦粉をメインにした硬い焼菓子のことですが、その歴史にはなかなかのドラマチックな物語があります。

ビスケットの語源は、ラテン語でbis coctus。bisとは二度の意味で二度焼きしたものというところからこの名があります。
二度焼きすることで軽く日持ちするので携行食として重宝されてきたのです。

古代ギリシャ、ローマからヨーロッパに伝えられ、あのコロンブスの大航海にも船内には大量のビスケットが積み込まれていたそうです。
そして、16世紀のヨーロッパを制覇していたのはスペイン。強力な無敵艦隊がヨーロッパの海を支配していました。やがてそのスペインの制海権をやぶり進出したイギリスとの間で有名な英西戦争がおこったのです。
圧倒的な戦力を誇るスペインの無敵艦隊は短期決戦をめざして英仏海峡に入ったところ、イギリスの作戦で長期戦に持ち込まれました。イギリスは戦力的にはかるかに劣りながら豊富に積み込んだビスケットで長期戦に耐え勝利したのでした。
この戦いを境にスペインは次第に国力を失い、イギリスのヨーロッパ支配が始まったといわれています。

今では3時のテーブルに、子どものおやつの主役のビスケットには、これほどの国の攻防をかけた大変なドラマを秘めているのです。
このビスケット、日本にはポルトガル人によって、カステラ、ボーロなどとともに南蛮菓子
として伝えされました。
明治時代の日本名は「乾蒸餅」と呼ばれたこともあったそうです。
ビスケットされどビスケット。

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