お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2018.05.25

ブログ

京菓子 初夏

syoka
この時季、暦の上では小満。「万物が成長し天地に満つ」
とある通り、植物は芽を出した頃の萌黄色から初夏を迎え、それぞれの樹々が本来のみどり色を主張しはじめてきました。
野山にみどりがあふれ風薫る季節を迎え、待ちかねたかのように京菓子の世界にもみどりを表現したお菓子が次々と登場してきました。

  青梅、卯の花、おとしぶみ、若楓
お菓子とはおもえないこまやかなみどり色の数々が
いかにも日一日刻々とそのみどりの色を変える、今の季節の自然を豊かに表現しています。
季節のうつろいをカタチに変え、五感で四季を表現するといわれる京菓子の世界には今もみずみずしい自然の移り変りが大切にされているのです。

  卯月ばかりの若楓 すべて万の花 紅葉にもまさりて めでたきものなり

徒然草に兼行法師はすべての花よりも紅葉よりもまさる美しさと、新緑の美しさをたたえていますが、日本人のDNAの中には今の季節の若葉から青葉へと移り変わるときの微妙な色の変化の美しさを見分ける心が宿っているのかもしれません。
そして初夏の樹々を彩る花というと、くちなし、みかん、山ぼうし、卯の花となぜかいづれも白い花が増えてきます。
それは万緑とも呼ばれるほどあふれるみどりの舞台が用意されているためにいちばん引き立つ色は白ということなのでしょうか。

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