お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2022.10.04

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薬師寺東塔


世界遺産 奈良薬師寺 東塔が2009年から始まった12年にもわたる全面解体修理が終わり、1300年前の白鳳時代の美しい姿がよみがえりました。
羽根をひろげた鳳凰が連続して舞い上がる姿とたたえられる美しい姿は白鳳建築を象徴する建造物なのです。
高さ34mの東塔は長い歴史の中でたびたびの戦火で薬師寺の堂塔のほとんどが失われるなか、唯一創建当時の姿を見せていましたが、100年前の修理以来の検査で塔の中心をつらぬく心柱が虫に喰われ腐食して柱の中心が空洞になっていることが発見されたための本格的な修理がおこなわれたのです。
そして凍れる音楽とたとえられてきた美しい姿の東塔がよみがえりました。
「凍れる音楽」とたたえられた東塔の美しさの秘密、それは三重でありながら六層に見える屋根の美しさです。
東塔の屋根は本来の屋根の間にひとまわり小さな裳階と呼ばれる少し小さな飾り屋根のくり返しが独得の美しさをつくり出しているのです。
凍れる音楽と呼ばれるのは音楽は演奏とともにその美しい音は消えていきますが、東塔屋根の流れるような独得のリズミカルな建築美は永遠のものというところからこう表現されてきたのです。

そして東塔の上部を飾る水煙には24人の天女が舞う姿が透かし彫りされているのです。
日一日深まりゆく秋の澄んだ空に映える東塔の美しさ
 行く秋の大和の国の薬師寺の
 塔の上なる ひとひらの雲

古都の秋は今がまさに旬なのです。

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