お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2019.01.18

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真盛豆

mameみどり色もあざやかな真盛豆は京菓子の中でもそのルーツは古く室町時代にまでさかのぼるとか。
天台宗真盛派を開いた真盛上人に由来するところからその名前も真盛豆と呼ばれているのです。

独得の方法で煎った丹波黒豆に大豆粉を何重にも重ね重ねて表面に青のりをまぶして仕上げたもので口にした瞬間、青のりの風味と、しっとりやわらかな洲浜と黒豆のこうばしさが口いっぱいにひろがる上品な味です。

その昔、真盛上人が街で説法する時に煎った豆に菜粉をまぶしたものをみんなにふるまったとき、大そう喜ばれたという、その豆は真盛上人の流れをくむ京都北野の西方尼寺に伝えられました。

そしていつしか大根の青葉を冬に干したものをひいて青粉にして煎った黒豆にまぶす工夫が生まれるなど時を重ねるに従って、その味は洗練されていきました。

天正15年(1587)、北野大茶会に於て豊臣秀吉公が真盛豆を召されて「茶味に適す」と絶賛され、以来、茶人、通人の間でいつしか真盛豆と呼ばれるようになり、評判となっていったのです。

そして明治の始め、西方尼寺からその製法を伝授された菓子職人初代金谷正廣によって、さらに工夫が重ねられ今日に至っているのです。その口どけの良さと素朴ななかにもどこかゆったりとして奥行きのある味はその長い歴史の中で多くの人の手で守られみがきぬかれてきた歴史の味といえるのです。

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