お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2021.12.24

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あんかけうどん

丼いっぱいにひろがるのは美しく透き通った黄金色のあん仕立てのだし。
その上にたっぷりのおろし生姜がのっているだけのいさぎよさ。
大阪の冬の味 あんかけうどんです。

うどんの姿はあんの中にひかえ目に見えるだけ。だしが命といわれる大阪うどんの極みといった風景です。
だしが大事、うどんはだしの浮き実ほどの役目とさえいわれるほど、大阪うどんはだしの旨味へのこだわりが強いのです。
おはしを入れるのも気がひけるほど見事なあん仕立てのだしの中におろし生姜をまぜて、おはしで引きあげたうどんは細目でやわらか、たっぷりあんがからんでいるだけでなく、やわらかなうどんもだしの旨味をたっぷり含んでいるのです。

かつて大阪は天下の台所といわれ全国からあらゆる物産が集まってきました。
北海道でとれた昆布もまっすぐ北前船で大阪に運ばれ、その昆布のうま味は、上方で華ひらいたのです。
以来、上方のだしの主役は昆布だしとなり、その昆布だしにかつおのうま味を合わせただしがひろがるとともに独得のだし文化が定着したのです。
あのフレンチの巨匠アラン・デュカスをして「これほどの生姜を加えているのにしっかりと味わえる奇跡のスープだといわしめた「あんかけうどん」の味。
その味を支えるうま味は今、「UMAMI」とそのまま呼ばれ、世界の料理人をうならせているのです。
あん仕立てだから最後まで熱いだしの味が味わえる、まさにうどんはだしの浮き実といわれるあんかけうどんのおいしさは冬の大阪の味です。

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