
やわらかな春の日差しを感じる「春分(しゅんぶん)」
草花が少しずつ芽吹きはじめ、自然の中にも春の気配が広がっていきます。
━春分とは
春分は、二十四節気のひとつで、昼と夜の長さが同じになり、この日を境にだんだんと昼間の時間が長くなってきます。本格的な春の訪れを感じはじめる時節。
また、この日は1948年に制定された国民の祝日「春分の日」とされ、自然をたたえ、生きものをいつくしむ日として大切にされてきました。
「春彼岸」の行事も行われ、ぼたもちを供えたり、「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざが伝わるなど、季節の節目として大切にされてきました。
━春彼岸とは
春分に行われる行事が「春彼岸(はるひがん)」です。彼岸とは、春分の日を中心とした前後3日を合わせた7日間のことで、日本ではこの時期に先祖を供養する風習があります。
仏教では、私たちが生きるこの世界を「此岸(しがん)」、悟りの世界を「彼岸(ひがん)」と呼びます。春分の日は太陽が真東から昇り真西に沈むため、西にあるとされる極楽浄土に思いを向ける日と考えられてきました。そのため、この時期に彼岸の行事が行われるようになったと伝えられています。
この期間には、お墓参りをしたり仏壇に手を合わせたりして、ご先祖さまに感謝の気持ちを表します。家族で集まり、旬の食材を楽しみながら静かに手を合わせる時間は、日本の暮らしの中に根付いた大切なならわしのひとつです。
━ぼたもち

春彼岸の食べものとしてよく知られているのが「ぼたもち」です。もち米を丸め、あんこで包んだ和菓子で、春のお彼岸に供えられるものとして親しまれてきました。
ぼたもちの名前は、春に咲く牡丹(ぼたん)の花に由来するといわれています。秋のお彼岸では秋に咲く萩に由来し「おはぎ」と呼ばれますが、季節の花にちなんで呼び名が変わるのも日本らしい風情です。
小豆の赤い色には、古くから邪気を払う意味があるとされ、春彼岸にはご先祖さまにぼたもちを供える季節の節目を感じるならわしが今も受け継がれています。
━暑さ寒さも彼岸まで
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉は、日本の季節の移ろいを表すことわざです。冬の厳しい寒さも春彼岸を過ぎる頃にはやわらぎ、過ごしやすい季節になるという意味があります。
実際に春分を過ぎると日差しがぐっと春らしくなり、草花が芽吹き、自然の景色も少しずつ色づいていきます。昔の人々はこうした自然の変化を感じ取り、暮らしの目安としてこの言葉を使ってきました。
春分の頃は、やわらかな春の気配を感じる季節です。
お墓参りをしたり、ぼたもちをいただいたりしながら、季節の節目を大切にしてきた先人のならわしに思いを向けてみてはいかがでしょうか。
日本には、季節とともに暮らしてきた先人の智恵が数多く受け継がれています。これからのブログでは、季節の知恵やならわしをお届けまいります。
季節を楽しみながら、無理なく“季節の養生”も日々の暮らしに取り入れてみてください。せんねん灸では、二十四節気に合わせたおすすめのお灸ポイントも紹介しています。ぜひ季節の養生にお役立てください。



