お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2017.06.23

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梅の調味料

anbai
青梅の実が色づきはじめ、梅シロップ、梅酒、梅干しと梅仕事の季節がやってきました。

今やsoy sourceと世界中で呼ばれ、日本を代表する調味料のしょうゆですが、その歴史は新しいといえば新しく、江戸時代も後半になってやっと一般に使用されるようになったといわれています。

では、それまでの日本の調味料といえば、それは「煎酒」なのです。
煎酒とは、その字の示す通り、酒に梅干しと削りかつおをたっぷり入れ、時間をかけてコトコト煎りつけるように半分になるくらいまで煮つめて冷やしたもの。室町末期に発明され、しょうゆが普及するまで江戸時代のヘルシーなスローフードを支えてきたのです。

煎酒の味を支えるのは梅干しの酸味と本来は梅干しに含まれている塩分、それに加えて、かつおのうまみです。
たべもののおいしさをあらわす「いい塩梅」の塩梅とは、ここから生まれたのかもと思わせるほどのおいしさなのです。

ギュッと濃縮されたかつおのうまみと、梅干しの酸味、梅干しに含まれるほどのきわめてひかえめの塩分の味は、しょうゆに比べるとなんとゆるやかでさっぱりした味と、はじめて味わった人は声をあげます。

お刺身、冷や奴、おひたし、タマゴかけごはん、カルパッチョにも、とその用途はひろがるばかり。
この煎酒づくりが今静かなブームとか。

そして、もうひとつの梅からのプレゼントといえば「梅びしお」こちらは梅干しの梅肉と昆布をコトコト煮詰めたペースト状にしたもの。こちらのおいしさも、煎酒に肩を並べます。
煎酒、梅びしお、と梅からのプレゼントの奥深さはただただ頭がさがるばかり。

この週末あたり、さっそく梅仕事しませんか。

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