お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2018.01.12

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南郷洗堰

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周囲235キロ、最も深いところで103メートルの琵琶湖の標高はなんと84.371メートル。ちょうど大阪城の天守閣と同じ高さです。
その高低差ゆえに琵琶湖は近畿の水ガメとも呼ばれ、京・大阪にとってかけがえのない水を供給してきました。

その琵琶湖に流れ込む川は118本、支流も含めると400本にもなるそうですが琵琶湖の水が流れ出す川は今も昔もなんと瀬田川が一本あるっきり。
その瀬田川は、琵琶湖の一番南に位置し、流れ下るうちに宇治川から淀川に入り大阪湾へと注いでいます。

今は瀬田川ぞいにある石山寺のもう少し南にある南郷洗堰によって琵琶湖の水位はコントロールされていますが、かっての瀬田川は川幅もせまく周囲の山から流れ込む土砂によってすぐ浅くなって、十分に流れなくなるため、琵琶湖に大雨でも降ると琵琶湖の水位はすぐに上昇して湖岸の集落は「水込み」と呼ばれる浸水被害に悩まされてきました。
しかも琵琶湖には数多くの川が流れ込んでいるため、一旦雨が降ると、その増える水量もはんぱではないために琵琶湖の洪水を止めることはままならず、琵琶湖の治水対策は湖岸の村にとっては悲願だったのです。

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明治に入り河川法が制定され、琵琶湖だけにの問題とはせず、瀬田川から大阪湾までの広域の問題として、近代的な治水技術を導入し、国の直轄事業としての取組みがすすみました。瀬田川の川幅も100メートルをこえるまでに拡張され、同時に下流に流す水量をコントロールする洗堰の建設によって瀬田川の水量は4倍にもなり住民の長年の悩みも解決しました。

今、洗堰は2代目となり、川幅はさらにひろくなり10門の水門によって、水位と水量は守られています。新洗堰の完成に上り、南郷洗堰は役目を終えた今も、その一部が日本の治水の歴史の証人として保存されているのです。

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