お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2017.05.26

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万緑の候

kokage新緑に彩られた今は一年のうちで一番緑が美しいとき。暦の上では二十四節気の「小満」、万物が成長して天地に満ちるときとあります。

あふれんばかりの樹々の緑、地面をおおいつくす苔と、目にとび込んでくるすべてが緑という世界があちこちに出現してきます。

日本の自然林の美しさは世界でも類を見ない美しさとか。
その美しさをつくっているのは実に多くの草木が複雑にからみあい重なりあっていることから生まれます。

かつて、地球が氷河期を迎えた時、北半球の大陸では多くの植物が絶滅し、木の種類も少なくなりました。
しかし日本列島は地形の関係もあって、絶滅ということもなく、又アジアモンスーン地帯で、多種多様の植物が茂ってきたこと、広葉樹が多いこともあって日本は緑の美しい国となってきたのです。

この豊かな自然に恵まれた日本では早くから自然の色をきめ細かく読み分ける文化が発達しました。
今、日本の伝統色と呼ばれる色のほとんどは平安時代に生まれているのです。

その伝統色の中で緑をあらわす色名は実に多く、日々刻々と色を濃くする草木の緑を若芽色、若葉色、若草色、若緑色、浅緑色など、きめ細かく観察して呼びかけてきました。
目を移せばたちどころに、とても多くの緑色を見つけることができるこの時期の自然は、私たちにとって実に繊細な緑の見本帳を用意してくれているのです。

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