お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2018.08.17

ブログ

キョウチクトウ

kyouchikuto_1
1945.8.6 今から73年前の夏 広島に人類史上初の原子爆弾が投下されました。
一瞬にしてすべてが焼きつくされた広島の街、草木が生えるには数十年はかかるといわれていましたが、キョウチクトウだけはいち早くよみがえって花をつけました。
未曾有の災害に打ちひしがれていた人々に勇気と生きる希望を与えてくれたキョウチクトウ。
以来、夏が来るたびに花をつけやがて広島の「市の花」となり今では平和記念公園をはじめ周辺のメインストリートの街路樹として街を彩っているのです。

インドが原産のキョウチクトウは江戸時代に観賞用として中国経由で伝えられました。
キョウチクトウとは漢字で書くと夾竹桃と書きますが細長い葉が竹の葉に、花が桃の花に似ているところから中国で名づけかれたのがそのまま使われているのです。
夏にピンク色の花をつけるのが最もポピュラーですが観賞用として白い花や八重の花などもポピュラーです。
kyouchikuto_2
夏の暑さにほとんどの草木がぐったりしているなか元気に花をつけつづけるところから「半年紅」の別名もあるキョウチクトウはどんな土地でも育ち潮風や大気汚染にも強いところから公害対策樹として街路樹や高速道路にもよく利用されています。

キョウチクトウは良く見ると葉っぱも花もほとんど虫に喰われていません。
原産地のインドでは「馬殺し」なんて別名もある通り葉や茎が有毒だからなのです。
有毒な植物というのはキョウチクトウだけに限らずスイセンやヒガンバナ、フクジュソウなどいくつもありますがそれは虫や動物から身を守るため。
しかし毒薬変じて薬になるというコトバもある通り、キョウチクトウは葉として強心剤の原料にも使われています。
きのうヒグラシの声をききましたが、まだまだ日中の暑さはつづきます。

ページの最初に戻る