お灸のふるさと『近江』
とことこ散歩

お灸のふるさと 近江を歩く
堅田

琵琶湖の西岸に位置する「堅田」は、古くから湖上交通の要所として栄え、中世には水運を担った湖族(堅田衆)の拠点として大いに力をふるい、近世に入ると京や近江を結ぶ交通の結節点として発展をつづけました。
明治には湖岸道路の整備や汽船の航行により往来がさらに活発となり、湖とともに生きる町として独自の文化を育んできました。

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とりわけ堅田を象徴する「浮御堂」は、平安時代以来、湖上に張りだす美しい姿で多くの旅人を惹きつけ、今もなお琵琶湖の風景と見事に調和する名所として知られています。
湖畔には古い家並みや静かな社寺が点在し、水辺の景色と歴史が寄り添う独特の趣が感じられます。
堅田ならではの歴史や風景に出逢える見どころたっぷりの散策。
歩き終えると、ゆったりとした時間の中で意外にしっかり歩いたことを実感できる、心地よい湖畔の町歩きです。

konan AREA
湖南エリア
「堅田」
※クリックすると詳細が見れます
「歩く」前と後に
お灸をしょう
手のお灸ポイント
親指を上にして腕を前に出し、ヒジを曲げてできる曲がりジワの先端。指で押すといた気持ちよく感じるところ
足のお灸ポイント
ひざのお皿のすぐ下、外側のくぼみに人さし指をおき、指幅 4 本そろえて小指があたっているところ
足のお灸ポイント
内くるぶしのいちばん高いところに小指をおき、指幅 4 本そろえて、人さし指があたっているところ
とことこ散歩
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浮御堂

琵琶湖にせり出すように建つ浮御堂(うきみどう)は、紫式部も訪れたと伝わる歴史あるお堂。堅田を訪れたらぜひ立ち寄っていただきたい名所です。

平安時代に天台宗の僧・源信(恵心僧都 えしんそうず)によって建立されたと伝えられており、源信は一千体の阿弥陀仏を刻んでこのお堂を千体仏堂と名づけ、湖の安全と人々の安らぎを祈ったといわれています。

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水面に浮かんでいるように見えるお堂は古くから旅人の心をとらえ、のちに近江八景にも選ばれました。近江八景とは、琵琶湖周辺の美しい情景を八つ選んだ名勝のことで、そのひとつが、湖に雁が舞い降りる風景を描いた堅田の落雁(かたたのらくがん)です。浮御堂の景色は、この情景の象徴として古くから親しまれてきました。
境内の観音堂には、平安時代につくられた重要文化財・木彫の聖観音座像が静かに安置されています。

また、浮御堂は多くの文化人に愛され、紫式部をはじめ、松尾芭蕉、小林一茶、広重などが訪れたと伝えられています。彼らはこの景色を詩や絵に残し、その魅力を今に伝えています。芭蕉の“鎖あけて 月さし入れよ 浮御堂”、近衛信尹の『堅田落雁図』、さらに広重や葛飾北斎が描いた『近江八景・堅田落雁』など、数々の作品に浮御堂の姿を見ることができます。

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アクセス
滋賀県大津市本堅田1丁目-16-18
JR堅田駅からバス出町下車、徒歩7分

魚富商店

浮御堂の門前に店を構える魚富商店は、昭和5年創業の老舗湖魚佃煮専門店です。
店先にかかる かわいいのれんが目印です。
地元・琵琶湖で水揚げされた新鮮な湖魚を使い、昔ながらの製法で丁寧に炊き上げるこだわりが息づいています。

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人気の佃煮盛り合わせをはじめ、冬の湖国を代表する名産 鮒寿司、香ばしいエビ豆、琵琶湖の王様といわれるモロコ、アユの稚魚である氷魚(ひうお)、ゴリなど、季節ごとに並ぶ湖魚の品々も魅力です。どれも素材の旨みがしっかり感じられ、素朴で深い味わいが楽しめます。

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アクセス
滋賀県大津市本堅田1丁目16-14
JR堅田駅からバス出町下車、徒歩7分

湖族の郷資料館

琵琶湖のほとりに建つ湖族の郷資料館は、堅田の歴史と文化を伝える資料館です。中世、琵琶湖の水運や漁業を担った湖族(堅田衆)をはじめ、地域に根ざした人々の暮らしを、漁具や農具、書物など多彩な資料で紹介しています。

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また、昭和初期に活躍した喜劇役者・志賀廼家淡海(しがのや おうかい)の展示もあり、彼の遺品や写真、そして独特の節回しで知られる淡海節(おうかいぶし)にふれることができます。
当時の湖国の暮らしやにぎわいを感じることもできます。

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アクセス
滋賀県大津市本堅田1丁目21-27
JR湖西線 「堅田」 下車 バス 10分 堅田出町

夕陽山 本福寺

堅田にある夕陽山 本福寺は、鎌倉時代後期に創建された浄土真宗本願寺派の古刹で、湖国の歴史とともに歩んできました。
本福寺は、俳人・松尾芭蕉との深いゆかりを持つ寺としても知られており、芭蕉が堅田を訪れるようになったのは、第11世住職・明式の勧めによるものと伝えられ、明式はのちに芭蕉から千那(せんな)の俳号を授かって門弟となりました。

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芭蕉は生涯の中でたびたび本福寺に足を運んでおり、なかでも元禄3年(1690)の来訪では体調を崩し、寺で静養しながらしばらく身を寄せていたといわれています。その折に詠まれた句が、”病雁の 夜寒に落ちて 旅寝かな”
現在、この句を刻んだ石碑が本堂裏に建てられ、当時の芭蕉の息遣いを今に伝えています。

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アクセス
滋賀県大津市本堅田1丁目22-30
JR湖西線 「堅田」 下車 バス 10分 堅田出町

日本キリスト教団 堅田教会

堅田にたたずむ日本基督教団 堅田教会は、昭和5年(1930)に建てられた木造の教会で、近江兄弟社学園や旧大丸心斎橋店本館など数々の名建築を手がけた、ウィリアム・メレル・ヴォーリズによる設計です。
正面には、丸みを帯びた柔らかな形の “チューダーアーチの4連窓”が並び、右手にはとんがり屋根の小さな塔が寄り添うなど、ヴォーリズ建築らしい温かく親しみやすいデザインが魅力です。

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レンガ造りの低い塀とともに、周囲の町並みに自然に溶け込みながらも、静かな存在感を放っています。
この建物は、昭和初期の日本における貴重なキリスト教建築として国の登録有形文化財に指定されています。
ヴォーリズ建築にふれられる場所として、堅田を散策する際にぜひ立ち寄っていただきたいスポットのひとつです。

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アクセス
滋賀県大津市本堅田3-18-6
JR湖西線「堅田駅」より徒歩15分

出島の灯台

堅田の岬の先端に立つ出島の灯台(でけじまのとうだい)は、明治3年(1870)に建てられた琵琶湖で唯一の木造灯台です。琵琶湖を行き交う船の安全を守るために設けられ、長く湖上交通を支えてきました。
灯台は高床式の構造をもち、四隅の柱に加えて中央にも一本の支柱を据えた、五本柱で全体を支える独特の形式が特徴です。

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中心の支柱(高さ約7.8メートル)の上部に灯器が置かれ、建設当初はランプが使われていましたが、大正7(1918)に電灯へと切り替えられました。
琵琶湖の湖上交通の歴史を伝える貴重な建造物として大切に保存され、平成3年には大津市の有形民俗文化財に指定されています。

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アクセス
滋賀県大津市今堅田1丁目
JR堅田駅からバス末広町下車、徒歩10分

季節のメモ

本モロコ

琵琶湖の王様といわれる本モロコは、琵琶湖固有の小魚で、上品な白身とほのかな甘みが特徴です。 佃煮や天ぷらなどで味わわれ、湖国の食文化を代表する魚として、古くから人々に親しまれています。

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