処暑しょしょ

  • SHARE

self care 季節の養生

point of season 処暑の一点

処暑のお灸ポイント
手のひらを上にして手首の曲がりじわ親指側で動脈の拍動を感じるところ

節気に合わせてうつろうお灸ポイントも「季節のサイン」
「処暑のお灸ポイント」にお灸をすえ、心とカラダを今の季節に
合わせましょう。

explanatory video 鍼灸学博士 伊藤先生が語る処暑の養生

「処暑(しょしょ)」は夏の暑さがようやく和らぎ、朝夕に秋の気配が感じられる時期。
 
東洋医学では、自然界のエネルギーが「陽」から「陰」へと移り変わる節目とされ、体調や気分に変化を感じやすいと考えられています。特にこの時期は古くから「肺」を労わる養生が大切にされてきました。

続きを読む

そこで、この時期の習慣として取り入れたいのが「呼吸養生」です。まずはお辞儀をするように上体を深く前に倒しながら、体内の空気を全て吐き切ります。次にゆっくりと身体を起こしながら、新鮮な空気を胸の奥まで吸い込みましょう。

肺を新鮮な空気で満たすようなイメージで、ゆったりとした深い呼吸を繰り返すことで、心身がリフレッシュされます。

あわせて、日が沈むとともに身体を休め、日が昇るとともに目覚めるといった、自然のリズムに合わせた生活を心がけることも大切です。

空気が乾燥し始める本格的な秋に向けて、静かに身体の内側を整える時間を持ち、健やかな毎日を過ごしていきましょう。

養生とは

養生とは、東洋医学における健康習慣です。
「生命を養う」ためには、季節の変化に対応することが大切。四季折々の変化があるならば、そこで暮らす人のカラダや心も変化するはず。その時期ごとにふさわしい生活習慣や食習慣を心がけることが何より大切だと考えられます。
それにはまず、身のまわりにある自然を観察すること。季節の変化に気づき、時候に合うものを取り入れ、心身ともに健やかに、暮らすことこそが養生そのものだと考えられています。

監修

監修

伊藤 和憲 先生
鍼灸学博士
明治国際医療大学鍼灸学部
鍼灸学科 教授 続きを読む

専門は「痛み」。NHKの健康番組などに出演。 著書『今日からはじめる養生学』はじめ、 痛みに関する専門書多数執筆。

self care 季節を楽しむ

処暑しょしょ

夏の暑さがようやく和らぎ、朝夕に秋の気配が感じられる時期

二十四節気とは
一年を二十四に分けて季節の移り変わりを表した暦が二十四節気です。
農作業などで季節を知ることが重要だった昔の人々は、太陽の動きに合わせて季節を区分し、四季折々の自然の情景を漢字二文字で表しました。
昼の時間が最も長くなる「夏至」、最も短くなる「冬至」、昼と夜の長さがほとんど同じになる「春分」と「秋分」は、それぞれの季節の大切な節目です。
また、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」は四つの季節の始まりを表し、「四立(しりゅう)」と呼ばれ重要な季節の節目とされています。
二十四節気をよりどころに季節の変化を感じ取り、日々の暮らしに取り入れましょう。

Seasonal Handiwork 季節の手仕事

秋を束ねるフラワーバスケット

リンドウ、オミナエシ、フジバカマ、
ワレモコウが花屋さんの店先に並びはじめました。

夏から秋へ、季節はゆるやかに移り変わっています。
古くから人々は、身近な植物を暮らしに取り入れてきました。

続きを読む

リンドウは根を乾燥させたものが生薬として用いられ、
ワレモコウも根が古くから生薬として使われてきました。

そんな人々の暮らしに寄り添ってきた秋の草花を、
今回はフラワーバスケットに仕立てます。

まずはみずみずしい生花を楽しみ、
ドライフラワーになったら飾り直して、もう一度。

同じ草花でも、時とともに変わる表情を長く楽しむことができます。

seasonal signs 季節のサイン

seasonal tradition 季節のならわし

季節のならわし

暑さが少しずつやわらぎ、秋の気配を感じる頃。
処暑ならではの風習や行事をご紹介します。

続きを読む

■地蔵盆
地蔵盆は、子どもたちの健やかな成長や安全を願う、地域に根づいた行事です。
地蔵菩薩の縁日である8月23日・24日頃に行われ、特に京都をはじめとする近畿地方で今も盛んにおこなわれています。

町内のお地蔵さまをきれいにし、新しい前かけをつけたり、花や提灯で飾ったりしておまつりします。地域によっては、お菓子を配ったり、さまざまな遊びを楽しんだりと、子どもたちが主役となってにぎやかに過ごします。

■二百十日(にひゃくとおか)
二百十日は、立春から数えて210日目にあたる雑節で、毎年9月1日頃にあたります。
この頃は稲穂が実りを迎える大切な時期である一方、昔から台風などによる風雨に注意する「厄日」とされ、農家では農作物への被害を警戒してきました。
そのため各地では、風を鎮め、豊作を願う「風祭り」などが行われてきたのです。

■初嵐(はつあらし)
初嵐とは、秋になって初めて吹くやや強い風のことで、秋の季語のひとつです。
「嵐」というと激しい暴風を思い浮かべますが、古くは山から吹き下ろす強い風を指す言葉としても使われていました。
木々を揺らす風の音や、ふと感じる涼しさに、過ぎゆく夏と近づく秋の気配を感じさせる言葉です。


旬の味わい

処暑の頃に味わいたい、旬の食材
暑さが少しずつやわらぎ、秋の気配が深まる頃。
季節の移ろいとともに、旬を迎える味覚を楽しんでみませんか。

続きを読む

■イワシ
イワシは種類や地域によって旬が異なりますが、マイワシは夏から秋にかけて脂がのり、おいしさが増します。

漢字では「鰯」と書きます。水からあげると弱りやすいことなどから、「魚」へんに「弱」と書くようになったといわれています。

イワシは大きな群れをつくって泳ぐ習性があり、その姿になぞらえて、秋空に小さな雲が群れをなして広がる様子を「鰯雲」と呼びます。

■ブドウ
ぶどうは、秋を代表する果物のひとつです。世界には数多くの品種があり、そのまま味わうほか、ワインや干しぶどうなどさまざまな形で楽しまれています。

皮の色によって、巨峰などの黒系、デラウェアなどの赤系、シャインマスカットなどの緑系に大きく分けられます。
皮の表面についている白い粉は「ブルーム」と呼ばれる、ぶどう自身がつくり出す天然のもの。水分の蒸発を防ぐなど、実を守り鮮度を保つ働きがあります。

また薬膳では、「気」や「血」を補い、からだに潤いを与える食材とされています。

■イチジク
イチジクは、夏から秋にかけて旬を迎える果物です。
漢字では「無花果」と書きます。これは、花を咲かせずに実がなるように見えることに由来しますが、実際には私たちが「実」として食べている部分の内側に、小さな花がたくさん咲いています。

日本では江戸時代に広まり、食用だけでなく薬用としても用いられるなど、古くから人々の暮らしに親しまれてきました。栄養を豊富に含むことから、「不老長寿の果物」とも呼ばれています。

■きぬかつぎ
きぬかつぎは、小ぶりの里芋を皮つきのまま蒸したり、ゆでたりして味わう、秋ならではの料理です。

「衣被(きぬかつぎ)」とは、平安時代の女性が衣を頭からかぶった姿のこと。里芋の皮を一部むいた姿が似ていることから、この名がついたといわれています。
「衣被」は秋の季語でもあり、十五夜とも深い関わりがあります。十五夜は、里芋をお供えする風習から「芋名月」とも呼ばれます。

季節の花

秋の気配を映す、季節の花々
処暑の頃は、暑さの中にも少しずつ秋の気配が深まる季節。
風に揺れる花々が、夏から秋への移ろいを感じさせてくれます。

続きを読む

■コスモス
コスモスは、夏の終わりから秋にかけて咲き、季節の風景を彩る代表的な花です。

漢字では「秋桜」と書き、桜を思わせる可憐な姿で親しまれています。日本の秋を象徴するような花ですが、原産地はメキシコで、日本には明治時代に伝わったといわれています。

細く繊細に見える茎はしなやかで、秋風に揺れながら咲く姿もコスモスならではの魅力です。

■オミナエシ
オミナエシ(女郎花)は秋の七草のひとつで、夏から秋にかけて、細い茎の先に小さな黄色い花をたくさん咲かせます。

『万葉集』にも詠まれており、奈良時代から人々に親しまれてきた、歴史のある花です。

「女郎花」という名前の由来には諸説あり、その美しい姿を女性になぞらえたという説などがあります。また、オミナエシによく似た白い花を咲かせる「オトコエシ(男郎花)」という植物もあります。

■綿の実
綿は夏に花を咲かせ、秋になると実が熟してはじけ、中からふわふわとした白い綿が顔を出します。

この白い綿は、実の中にある種の表面から伸びた繊維です。古くから糸や布、布団などに利用され、人々の暮らしを支えてきました。

秋に実がはじけ、綿を収穫することから、「綿」や「綿吹く」は秋の季語としても使われています。

■稲
夏に成長した稲は、秋になると実りの時期を迎え、田んぼ一面を黄金色に染めます。

稲は実が詰まるほど穂先が重くなり、頭を垂れるような姿になります。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉は、実る稲穂の姿になぞらえて、成長するほど謙虚になることの大切さを表しています。

収穫した稲は、お米だけでなく、わらはしめ縄や草履、むしろなどに利用され、古くから人々の暮らしを支えてきました。

72 Seasons 七十二候

七十二候気とは
七十二候とは、二十四節気の一つの節気をさらに三つに分けた暦で、一年を七十二の候に分けて表したものです。
およそ5日ごとに区切られ、自然の変化が伝わってくるような美しいコトバで表現されているのが特徴です。
例えば、花が咲く様子も、桃は「桃始笑(ももはじめてさく)」、桜は「桜始開(さくらはじめてひらく)」、牡丹は「牡丹華(ぼたんはなさく)」と表されます。
桃は笑い、桜は開き、牡丹は華やぐ。そんなコトバから、花々の姿や季節の彩りを思い浮かべることができます。
また、生き物たちの姿や、目には見えなくても少しずつ進む季節の気配を伝えるコトバも多く、七十二候を通して季節の移ろいを感じ取っていました。
初 候
次 候
末 候
to
綿柎開 わたのはなしべひらく

綿の実がはじけて綿花がのぞきはじめる頃

to
天地始粛 てんちはじめてさむし

夏の強烈な暑さがおさまりはじめる頃

to
禾乃登 こくものすなわちみのる

稲が実り、稲穂がいろづきはじめる頃

ページの最初に戻る