カラダとココロが
元気になる講演会

せんねん灸銀座10周年記念イベント
カラダとココロが元気になる講演会

中国医学入門 〜決めては五臓の「腎」の力〜
老いない体をつくる

INDEX

  1. 01 薬膳への道
  2. 02 健康管理のためのセルフケア
  3. 03 若々しさを支配する「腎(じん)」
  4. 04 「腎精 (じんせい)」とは
  5. 05 「腎精」のおとろえがひきおこす症状
  6. 06 「腎精」をチャージする
  7. 07 精がつく食べもの
  8. 08 西太后の腎精チャージ
  1. 09 腎精チャージの食材 木の実・根菜
  2. 10 腎精チャージ 海の食材
  3. 11 腎精チャージ 色の食材
  4. 12 腎精チャージ ベリー類
  5. 13 腎精チャージ 骨つき肉
  6. 14 腎精チャージ 常備菜
  7. 15 まとめ
  8. 16 腎精チャージのツボ

PDFで読む

Profile
阪口珠未さかぐち すみ先生

株式会社漢方キッチン代表
日本中医薬大学講師。日本薬科大学特命講師。文科省国費留学生として、北京中医薬大学で国費留学。帰国後「おいしく、カラダとココロをリリースする」をテーマに、1999年株式会社漢方キッチン設立。著書に『老いない体を作る中医学入門〜決めては五臓の「腎」の力』 『西太后のアンチエイジングレシピ』 『毎日使える薬膳&漢方の食材事典』など。
http://kanpokitchen.com

薬膳への道

こんにちは、阪口珠未です。
私は文部省(現文部科学省)国費留学生として1991年~1995年までの4年間北京中医薬大学、漢方薬の大学に留学していました。
中国には、西洋医学と中国医学を専門とする2つの医大があり、どちらも6年間のカリキュラムになっています。中国医学専門の大学では、6年間で漢方薬はもちろんのこと、せんねん灸さんがされているお灸も医師となるために必要な資格として勉強します。
私は中医養生回復科、つまり、リハビリ学科で、なるべく元気にカラダをととのえながら老化に対抗しながら生きていく学科に留学していました。

私の中国人の恩師は、ご高齢にもかかわらずとてもお肌がきれいで、学会出席のため、世界中を、飛びまわっている人でした。
弟子の私が先生に若さの秘訣をお伺いしたところ、ひとつは、毎日自分の手のひらにひと握りのナッツを食べること。
ドライフルーツ、木の実、大豆などの豆類は、小さな種から発芽して、大きく成長していくエネルギーを秘めており、エネルギーがつまった食材。 子どもなら子どもの手にひと握り、大人なら大人の手にひと握り食べることによって自然のエネルギーをカラダにいただくことができるとおっしゃいました。
そしてもうひとつが豚足を食べること
先生はお肌がきれいでしっとりしていて「20代の私よりきれい」と伝えると「それは豚足のお蔭です。豚足をお酢と黒砂糖で多めに煮ておいて毎日少しずつ食べる」とおっしゃっていました。
「日本人はあまり豚足は食べません」とお伝えしましたら「鶏の手羽先でもいい。鶏の手羽先をクコとそれから甘くで煮ておくと長期保存でき毎日少しずつ食べるといい」と教えてくださいました。
今、栄養学的に考えてもナッツを食べる、酢で煮た骨つき肉を食べることはすごく利にかなったことなのですが、それをきわめて自然に生活に取り入れる生きかたとの出会いが私の薬膳への道のスタートだったのです。

健康管理のためのセルフケア

日本人の平均寿命は世界で一位の84才、女性が長生きですが、このなかで自立生活が難しくなるのはどのくらいの期間でしょうか
正解は11年。男性で9.1年間、女性で12.7年間自立生活が難しくなるのです。
せっかく84才まで生きたとしても最後の10年間ぐらいは、自分1人で外出して、美味しいものを食べたり、友達と映画をみたりすることができなくなってしまうということです。
誰かの手をかりないとできなくなってしまう。これってつまらないと思いませんか。何のために長生きしているんだと思いませんか。この10年をいかに短くするかというために自分の健康管理に薬膳をつかう、お灸をつかうなどいろんな方法でセルフケアをしていくということが大切なのです。

若々しさを支配する「腎(じん)」

カラダの若さの鍵になる臓器に腎(じん)があります。
腎というとみなさん思い浮かべるのが西洋医学の腎臓。
腎臓はカラダの中の水分の中から水溶性の毒をろ過して排出するはたらきをします。
中国医学の中でもカラダの水分代謝をおこなう機能が腎にあるとしていますが、もうひとつ中国医学にしかない腎の働きがあります。それが腎には成長、成熟、老化にかかわる「生命エネルギーのバッテリー電池」という役割が腎にはあるということです。これはたぶん中国医学にしかない考えかたです。
腎という臓器の働きに生命エネルギーをためている場所とイメージしていただければと思います。

「腎精(じんせい)」とは

そして「生命エネルギーのバッテリー電池」、腎にたくわえられたエネルギーのことを中国医学では腎精(じんせい)といいます。
この腎精は若々しさのもと。この腎精が減っていくと老化が早くなりますが、途中からでも腎精をチャージすることによってカラダの若々しさを保つことができます。
これはお灸でもできるし、気功でも薬膳でもできます。いろんな方面から腎精をチャージすることができるのです。
腎精の考えかたは2000年前に書かれたといわれる中国医学の古典「黄帝内経」にすでに記されいて、男性は8の倍数、女性は7の倍数でカラダのリズムに変化があらわれるとしています。その中で女性は14才、男性は16才で性ホルモンの分泌が盛んになり、子どもを産めるカラダへと成長します。
そして、女性は28才、男性は32才が成熟のピーク。女性の閉経は7×7、49才とされています。
腎精が盛んになることでカラダが成長し、そして腎精がおとろえると老化がはじまります。カラダの変化は腎のリズムでもあるのです。

「腎精」のおとろえがひきおこす症状

年令とともにおとろえる腎精によって私たちのカラダにはさまざまな変化があらわれてきます。
腎の目減りによって最も大きく変化があらわれるのは男性では前立腺や性欲、女性では子宮や卵巣などに変化がでてきます。
そして尿のキレが悪くなったり、尿もれや、耳がきこえにくくなったり、骨や歯ももろくなってきます。 中国医学では髪は血余(けつよ)のコトバ通り、血のめぐりが十分でなくなると髪がうすくなり、白髪、抜毛、そしてシワ、肌あれなども腎の働きの低下によって起こるとしています。
さらに腎精が衰えるとカラダだけでなくココロにも及ぶことになり、不安感が強くなったり、新しいことにチャレンジする気持ちがなくなり、また驚くべきことには腎精の不足は脳の働きの低下にも及び、認知症やアルツハイマー症も腎精の衰えによるとされているのです。

「腎精」をチャージする

若々しさを保つ腎精エネルギーは年令とともに減少していきます。
腎精をチャージせずに自然にまかせれば女性は49才、男性56才をひとつの境にしてだんだん腎精が衰えて老化が顕著になっていきます。
でもなんらかのかたちで腎精をチャージすることで下からつっかえ棒をいれる感じで長く元気に生きることができるということなのです。

精がつく食べもの

日本には精をつける食べものといわれるものがあります。
山芋、自然薯、黒胡麻、スッポン、おっとせいの睾丸など
明治時代まで日本の最高の医学は中国医学でした。ですからこの時代 カラダにエネルギーをたくわえて若々しく過ごすための腎精がつく食べものがあげられていますが、その腎の部分が短くなって精がつく食べものというコトバになったのです。だから、今でもよく言われる精がつく食材はすべて腎精をチャージしてカラダを若々しく保つことができる食材なのです。

西太后の腎精チャージ

中国で2006年に西太后のカルテが出版されて話題になりました。西太后が何を食べていたかは記録がすべて残っていたのです。
彼女は漢方や薬膳をつかって腎精チャージしてカラダを若々しく保っていたといわれています。そのカルテをひもとくと意外にも我々が今、使えるような薬膳、腎精チャージ食材が見つかってくるんです。
薬膳は身近な食材でおいしく食べることができ腎精チャージもできるのです。

腎精チャージの食材 木の実・根菜

腎精チャージには、具体的にどんな食材をつかうかといいますとまずあげられるのが木の実、根菜。
特に木の実は一日ひとにぎり食べると腎精をチャージする働きがあることは私の恩師の健康法でも述べましたが、ローストナッツとして揚げていないものがいいです。アーモンドやくるみは特によく、そこにカシューナッツを混ぜる、さらにクコやなつめなどの他のドライフツーツを混ぜて食べていただいてもいいのです。
ただピーナッツはあまりお勧めしません。手に入りやすいけれど、ピーナッツは油の質が他のナッツと違うので、腎精チャージには、アーモンド、くるみなどのほうが良いです。

根菜類については自然薯、山芋でも腎精チャージ効果が高いため、カラダのおとろえを感じたら山芋の仲間である安い長芋を一日すこしずつ食べると薬効があります。
ねばりが強いほど効果が高いので、手にはいれば、粘りの高いヤマトイモ、自然薯などがおすすめです。

腎精チャージ 海の食材

中国は海がない地域が多く海がある地域がかぎられているので海由来の食材でチャージは難しいのですが、日本は四方海なので海のチャージ食材が豊富です。
特に海のものは腎精チャージをする力が高くひじき、のり、かき、えび、貝柱、うなぎと腎精をチャージする働きの食材がめじろ押しなのです。

最近、私が書いた「老いない体をつくる中国医学入門」という本では、レシピのコーナーで「腎精チャージふりかけ」を紹介しています。
簡単にできるので、娘のおべんとうは常にこれにしています。干しえび、黒胡麻、干しえびはあみえびでもよいのですが、まずはえびを軽く炒ってそこに青のり、黒胡麻、いったじゃこをまぜあわせ、ちょっと好みで塩を入れて混ぜるだけで「腎精チャージふりかけ」ができます。
子どものおべんとうや、炒めもの、青菜やキャベツを炒めるときにも使えます。
つくるときあみえびを炒めておく、じゃこを炒めておくことが手間ですがそれだけやっておけばさまざまなメニューに使えます。
「腎精チャージふりかけ」は日本だからこそできる腎精チャージの方法として特におすすめです。

腎精チャージ 色の食材

中国医学は色も大切にします。腎に効く色は黒い食材、血を増やす食材は赤い食材。
黒と赤い色の食材をチョイスして食べることが大切です。
だから胡麻も白胡麻ではなくて黒胡麻のほうが腎をチャージするにはいいとされています。
黒豆、黒胡麻、黒米などありますが黒豆は日本で昔から使われている腎精チャージ食材です。
これ食べると若返る、更年期障害の女性には黒豆の煮汁、黒豆納豆が効果があるとされています。そして「なつめ」です。
「なつめ」はほんとうはしっとりしているものですが食べやすくするために油で揚げないでフリーズドライでスナックにしたものもあります。
「なつめ」は日本でも腎精チャージの食べものとして古くからカラダに栄養をあたえて特に女性は産後に必ず食べる食材といわれていました。おいしくて栄養価が高く精神を安定させる働きもあります。
中国では、1日3粒食べると医者いらずといわれていて女性は結婚の時とか出産の時には友達どうしで贈りあって、カラダをチャージする習慣があります。
「なつめ」には、大棗(タイソウ)といって大きなしっとりしているなつめもありますが、できるならば1日3粒のなつめを食べるようにしてもらうとミネラル、鉄分も多くふくまれているためカラダの機能のおとろえには非常に効果が高い食材なのです。


腎精チャージ ベリー類

それから桑の実、ブルーベリー、ラズベリーのようなベリー類。
特にラズベリーは中国で乾燥したものを漢方薬にも使います。桑の実は、6月の最初から今ぐらいまで実るもの。非常に腎精をチャージする効果があり、目と耳の働きをよくするといわれます。

腎精チャージ 骨つき肉

日本は食文化として魚を食べる文化は長いのですが、肉を食べる文化は短いこともあり骨をのぞいたものが多く、そのため鶏のもも肉も骨がついていないものが多いのです。中国は肉食文化の国なので骨つきの肉が多く、肉の栄養素をあますことなくカラダにとり入れ、若さを保とうとする考えかたが発達しています。
鶏も足のもみじはコラーゲンがいっぱいなので年をとるとみんなたくさん食べます。
年をとってから尊敬されるためにはきれいでなくてはいけない。だから男性も女性もお肌のケアをしないといけない。お肌のケアは外側だけでなく内側からが肝心。骨つきの肉を食べたり皮つきのものを食べたりすることによって、ひざを強くして姿勢をすっきりさせ、お肌もきれいになるとせっせと食べるのです。
豚足はどうもという人には、手羽先、スペアリブが売っていますので煮込み料理をするときには必ず骨付のものを使ってください。煮れば骨の成分がでてきます。特にお酢を使うことによってカルシウムなども出てくるのでよりカラダにとり入れやすくなります。だから骨つき肉は腎精チャージには欠かせないのです。

腎精チャージ 常備菜

腎精チャージの取組みは毎日続けることが大切です。そのためには工夫してすぐ食べれるようにしておくことも大切です。
クコのバルサミコビネガーづけは、80gのクコを熱湯で洗ってそこに大さじ3の水、大さじ3のバルサミコ酢を入れるだけ。
水とバルサミコ酢を吸ってクコがふくらむと中からクコの甘味がでてくるので砂糖はいりません。熱湯をかけて酢を入れているので1週間はもちます。
朝のヨーグルトやサラダのトッピングに使うなど準備しておくと腎精チャージがすぐできます。クコには目の病気を防ぐなどいくつもの働きがあります。

黒胡麻ペーストは、練り黒胡麻にはちみつ、すり胡麻を入れただけ、パンにつけたり、胡麻あえなどにもすぐ使えます。
大さじ一杯ぐらいを毎日続けることで髪の毛が気になる人には非常に効果が高いのです。

まとめ

西太后の腎精チャージのメニューの本に登場する食材は、スーパーで目にすることができる食材がたくさんあります。
今日お話しした食材の中で、これならと言うのがありましたら、一つからでもお家のメニューにぜひ取り入れてみて下さい。
腎精チャージで、若さをキープし、自分の時間をキープしてください。
自分のカラダが原因であれも「できない」、チャレンジしたいけどこれも「できない」ではつまらないと思いませんか。
年を重ねながらも自分の可能性を広げていただくためにもセルフコントロールとしての腎精チャージをぜひご活用ください。

腎精チャージのツボ

腎の働きを高めるツボは内くるぶしの周辺に集中しています。

① 太渓(たいけい)

腎精チャージ必須のツボ
内くるぶしとアキレス腱の間のへこみ。太渓の下には動脈が流れています。へこみを押して、指先に動脈の拍動を感じるところです。

② 照海(しょうかい)

耳が遠くなった。耳鳴りがする。
内くるぶしのすぐ下のへこみ。

③ 然谷(ねんこく)

最近血圧が高くなってきた。不整脈がある。
内くるぶしから斜め下方向へ指をすべらせ、ポコっとふくらんだ骨のキワ。腎の働きが低下すると血圧が高くなります。

④ 築賓(ちくひん)

朝、腰が重い 腰に痛みがある 老化のはじまりに
足首からふくらはぎを擦り上げて行き、アキレス腱からふくらはぎの筋肉が高まる際(きわ)を押すと痛みを感じるところです。

⑤ 命門(めいもん)

いのちのツボ 腎の働き全般に
おへその真後ろの背骨。

⑥ 腎兪(じんゆ)

文字通り腎の働きを高めるツボ
おへその真後ろの背骨から両わきへズレたところ。指圧して気持ちよさを感じるところを中心に温めます。

⑦ 関元(かんげん)

おへそに人差し指を置き、指幅4本(人差し指、中指、薬指、小指)をそろえて添えて小指が当たっているところ。手を当てると気持ちよさを感じるところ。
関元のツボあたりを意識して歩くことで股関節を使って歩くことになり、歩くだけで腎精チャージができます。

(せんねん灸お灸ルーム)
老いない体をつくる中国医学入門〜決め手は五臓の腎の力
阪口珠未著

若さの素=腎精(じんせい)をチャージしよう!
五臓で人間の体を捉える中国伝統医学。 中でもとくに重要なのが「腎」。
「腎」のおとろえは性欲・やる気の低下として現れるだけでなく、 脳の働きも左右します。
年齢と共に減る腎精をどう目減りさせずに長持ちさせるか?
決め手になるのが「食こそ薬」と考える食養生法です。
「毎日一握りのナッツを」「肉は骨つき・皮つきが基本」
2000年の歴史が 証明する究極のアンチエイジングをやさしく紹介。

発行:幻冬舎新書出版。価格:本体800円+税。

オンラインショップ

若さの素=腎精(じんせい)をチャージしよう!
五臓で人間の体を捉える中国伝統医学。 中でもとくに重要なのが「腎」。
「腎」のおとろえは性欲・やる気の低下として現れるだけでなく、 脳の働きも左右します。
年齢と共に減る腎精をどう目減りさせずに長持ちさせるか?
決め手になるのが「食こそ薬」と考える食養生法です。
「毎日一握りのナッツを」「肉は骨つき・皮つきが基本」
2000年の歴史が 証明する究極のアンチエイジングをやさしく紹介。

発行:幻冬舎新書出版。価格:本体800円+税。

オンラインショップ
ページの最初に戻る