お灸研究室もぐさはよもぎから

お灸は天然よもぎ100%

お灸に使うもぐさは春、草餅やよもぎ団子になるよもぎからつくられます。
よもぎは春になると道ばたとか河原やアスファルトのすき間にさえ芽を出す生命力旺盛な植物です。

古くから身近な薬草として、傷口によもぎの葉をもんで汁をつけて止血したり、虫さされやかゆみ止めにも使われてきました。又、乾燥したよもぎは艾葉(がいよう)と呼ばれ、生薬としてカラダを温め、腹痛、胸やけ、下痢、便秘など、さまざまな症状に効果があるとされてきたのです。

よもぎは、ヨーロッパでも、ハーブの母とも呼ばれるほどポピュラーでひろく用いられてきており、洋の東西を問わず、すぐに手に入るところにあってヒトの暮らしに役立ってきたかかせない植物でもあるのです。

ところで、お灸に使うもぐさはよもぎからどうしてつくられるかというと、これがまた不思議。
よもぎは風に吹かれると葉っぱが裏返って、白く見えますが、これは葉の裏側をびっしりおおう白く光る綿毛のせいです。
梅雨が終り花の咲く前によもぎを刈り取り乾燥して、臼でくだき、葉や茎を取り去るという作業をくり返しくり返しつづけると、やがてほんの少しのフカフカの綿毛だけが残ります。これがお灸に使うもぐさなのです。なんと乾燥したよもぎから1/200しかとれない貴重なもの。もぐさにはよもぎに含まれる精油成分があるためか、火つきがよく、熱さ少なく火持ちもよいのでお灸に最適なのです。

しかし、だれがいつ、あのよもぎの葉の裏の綿毛だけを集めて、お灸に使うことを考えたのかはわかりません。
何しろお灸の歴史は2000年をはるかにこえて、あの壮大な国盗りロマン三国志の中にも登場するほどの気の遠くなるような時間の中で、積み重ねられた智恵の集積から生まれたことはたしか。だからお灸は人の英智とも呼ばれます。 そしてそれを支えてきたのがもぐさであり、よもぎなのです。
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